橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

祖父母然とすること

年末年始は地元の旭川で過ごした。10連休。寒いし雪は重いし、特に何をするでもないんだけど。

母はというと、1歳の姪に対してわりと動じない。普通に「あら〜、かわいいね〜」とか言ってはみせるけど、根っこの興味(と心配)はたぶん猫のほうに向いてる。

これが、なんというか、妙に良かった。

僕ら兄妹と母は生物学的には血のつながりがないんだけど、そういう“無理してない感じ”のナチュラルさが逆にしっくりくる。血縁に対する義務感や役割期待みたいなやつが、そこにはあまり無い。姪自身に失礼がないように優しく接してはいるけれど、本質的には猫のほうが面白い。そういう感じが節々に出てくるところが、自然だなと思った。

そこでふと思ったのは、世の中には「パパ・ママらしくあれ」という圧力と、同じくらいかそれ以上に、「おじいちゃん・おばあちゃんらしく孫々(動詞)せよ」っていう圧力もあるんじゃないか、ということだ。核家族が主流で、ワンオペ育児を強いられることの批判も高まる昨今では、祖父母に対しての“子育て第二ラウンド”的な期待も高まってる。でも当然、当人たちにとっても初めての「祖父母体験」なわけで、そりゃぁ少しは戸惑いもある。

しかも、子供に関心がない男性ってのは、父親だろうが祖父だろうが「ちょっと不器用な人ね」で済まされがちだけど、女性の場合はそうはいかない。「なんか冷たいよね」とか「母性ないのかな」みたいな空気が平然と流れる。理不尽だと思う。

僕の母はたぶん、その圧力にあまり動じないタイプだ。というより、自分の興味に素直なだけなんだと思う。赤ちゃんも猫も、世間の期待も、そのときそのときで自分の優先順位に従って扱う。その態度が、逆に筋が通っていて好ましく見えた。

追加: Jul 27, 2025
歩き出すようになってから、少しづつ孫のことが面白くなってきたみたい